
疲労は、本来なら睡眠でリセットされるものです。
もし、「目が覚めてもスッキリしない」「休んでも疲れがとれない」といった自覚症状があるなら、それは危険のサイン!
その疲れの原因は、筋肉などの肉体ではなく脳にあります。
運動をして疲れるのは筋肉ではなく脳
当然ですが、労働や運動などで体を動かすと疲れます。筋肉の張りや痛みなどの症状が現れるでしょう。
しかし、この時にいちばん疲れているのは、体を動かしている筋肉ではなくて脳です。
なぜなら、脳が信号を出して筋肉を動かしているわけですから。
運動をすると…
心拍数も呼吸も汗も、脳にある自律神経の中枢がコントロールしています。
運動をすると、必要な酸素量が変わり、体温の調節も必要になるので、呼吸が早く大きくなったり、汗をかいたりして、体の状態を調節しなければなりません!
この時点で、脳は指令を出し続けているわけです。
さらに運動を続けると…
- 脳細胞で活性酸素が発生する
- 脳が疲れる
- 体が疲労を自覚する
脳は疲れやストレスを感じ、次第に自律神経の機能がうまく働くなくなっていきます。
そして、脳が体に疲れたという信号を送り、全身で疲労を自覚するわけです。
脳の疲れが病気の原因になる
要するに、疲れを自覚している状態は、脳が疲労して自律神経が乱れているということ。
自律神経がうまく働かなくなると、心拍のコントロールが難しくなるので心筋梗塞などのリスクが高まります。
また、慢性的に疲労を抱えていると、ステロイドホルモンが大量に分泌され、動脈硬化につながる場合もあるでしょう。
さらに、免疫力の低下は、ガンの原因になります。
脳の疲れは怖いです。生活習慣病のリスクが高まるので注意しましょう!
疲労で脳が老化する
疲労の蓄積は、さらなる負のサイクルを招きます。
自律神経が乱れた状態が続くと、睡眠の質が下がります。睡眠の質が下がると、疲労が取れないので、より自律神経が乱れるという負のサイクルから抜け出せません!
それから、慢性的な疲労は脳の老化にもつながります。脳細胞がストレスで酸素不足になり、ダメージを受けるためです。
脳の機能低下は、いろいろな病気のリスクになります。
老化した脳・神経系は、機能が落ちると同時に、いろいろな病気の影響を受けやすくなります。たとえば、心臓・肺・肝臓・腎臓の病気、ホルモンの異常(甲状腺(こうじょうせん)の病気など)、膠原病(こうげんびょう)、がん、感染症などによって、脳・神経が障害を受けることもしばしばあります。しかも回復が遅れ、重症になりやすくなります。
引用:脳、神経のはたらきの衰えと症状、疾患(のうしんけいのはたらきのおとろえとしょうじょうしっかん)とは – コトバンク
脳の老化も病気につながるので、負のスパイラルに陥る前に疲労は対処しなければならないのです。
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最後に
疲労とは、自律神経の中枢の疲れ、脳の疲れのこと。
疲労との付き合い方の間違いは、あらゆる病気のリスクになります。
寝てもスッキリしない、休んでも疲れがとれない、などの自覚症状がある場合は、無理をせずゆっくり休みましょう。結局、無理をしても後で大きなツケを払うことになります。
疲労は万病のもとなので、甘くみないほうがいいかもしれません。