日本人の下戸は遺伝子の影響?お酒に弱い体質が多い理由。

送迎会シーズンが終わると、今度は歓迎会シーズンの到来です。

宴の席が苦手な人やお酒が弱い人にとっては辛い日々を過ごすことになるでしょう。

ところで、日本には、古くからお酒をまったく飲めない人や少し飲んだだけですぐ酔っぱらってしまう人のことを「下戸(げこ)」と呼ぶ風習があります。

下戸(げこ)とは、体質的に酒やアルコール飲料を飲めない人のことを言う。語源からもわかるように、差別的・侮蔑的な意味を含むため、自分のことを下戸と言うのはいいが、他人に用いるのは非常に失礼に当たるので注意が必要である。

引用:下戸 – Wikipedia

この風習から、体質的にお酒を飲めない人が昔から一定数以上いることが読み取れます。実は、日本人は遺伝子の組み合わせ的にお酒に弱い人が多いのです。

お酒は体内でアセトアルデヒドに変わる

食べ物は、口に入れてそのまま吸収されるわけではありません。体内に入ってから、別のものに変化して吸収されます。

例えば、炭水化物は糖分に変化し、タンパク質はアミノ酸に変化します。このように変化するのは、消化酵素の働きがあるからです。

お酒も体内に入ると、最初にアセトアルデヒドという物質に変わります。

参照:アセトアルデヒド – Wikipedia

次に、アセトアルデヒドは、酢酸という物質に変わります。この変化には、アセトアルデヒド脱水素酵素という酵素の働きが必要不可欠。

参照:酢酸 – Wikipedia

アセトアルデヒド脱水素酵素という酵素の働きが、お酒に強い体質か、お酒に弱い体質なのか、を左右するのです!

アセトアルデヒドが不快な症状の原因

アセトアルデヒドがさまざまな不快な症状を引き起こす原因です!

お酒に弱い体質の人は、アセトアルデヒドを酢酸に変えることができません!

  • 顔が赤くなる
  • 心臓がドキドキする
  • 頭が痛くなる
  • 気持ちが悪くなる
  • などの症状は、アセトアルデヒドが体内に溜まることで発生します。

    お酒に弱い体質の人が無理をして大量のお酒を飲んでしまうと、最悪の場合、急性アルコール中毒を起こして、大事な命を落とす可能性もあります。

    お酒の強要は、事故につながる大変危険な行為ですので絶対にやめましょう!

    体質的に弱い日本人

    お酒を分解する働きを持つアセトアルデヒド脱水素酵素。

  • アセトアルデヒド脱水素酵素をたくさん持つ人=お酒に強い体質
  • アセトアルデヒド脱水素酵素が少ない人=お酒に弱い体質
  • お酒に強い体質の人は、アセトアルデヒドを体に何の影響も与えない酢酸にどんどん変えていきます!

    だから、アセトアルデヒド脱水素酵素を持っている人は、いくらお酒を飲んでも問題ないのです。

    日本人は欧米人と比べて、お酒に弱いイメージを持っていませんか?

    これは、遺伝子の組み合わせ的にも間違っていません!

    欧米人は、お酒に強い体質の「NN型」という遺伝子の組み合わせが多いです。

    一方で、日本人の約4割は、ある程度飲める「ND型」とほとんど飲めない「DD型」という組み合わせに当てはまります。

    そして、極端にお酒に弱い体質の人は、アセトアルデヒドを分解する酵素がうまく働かない「DD型」という遺伝子の組み合わせになっている可能性が高いです。

    その場合は、下戸でも仕方がないので、アルコールの摂取には気をつけてください!

    アルコール体質は、キットを使って簡単に調べることができます。体質的に下戸なら、飲めなくても仕方がないと諦めましょう!

    参照:「あなたはお酒が強い人?弱い人?」|東京国税局|国税庁

    最後に

    お酒に強い体質か、弱い体質か、は遺伝子の組み合わせによって決まっています!

  • NN型:ALDH2型の正常活性遺伝子型(お酒に強い)
  • ND型:NN型の16分の1の活性しかない遺伝子型(ある程度は飲める)
  • DD型:ALDH2型の活性のない遺伝子型(ほとんど飲めない)
  • 自分の体質を理解して、お酒との付き合い方を考えなければなりません!

    季節の変わり目は、アルコールを摂取する機会が増えきます。すぐに顔が赤くなるなどのフラッシング反応が出る人は、特に飲み方に注意しましょう。