
慢性的な肩凝りに悩まされている人は多いでしょう。
仕事ではパソコンでの作業が当たり前となり、プライベートではスマホやタブレットを閲覧する時間がどんどん増えています。
もはや、肩や首の凝りは現代人の大きな悩みのひとつです。
凝りは、筋肉をただ揉みほぐすだけでは解消できません!
まずは、凝りの原因を理解することが大切です。
凝りの原因は?
凝りの原因は、筋肉のエキセントリック収縮です。
筋肉の等張性収縮は、2種類に分けられます。
コンセントリック収縮(短縮性筋収縮)は、筋肉が縮まりながら力を発揮すること。
エキセントリック収縮(伸張性筋収縮)は、筋肉が伸びながら力を発揮すること。
体は動きに応じて、この2種類を使い分けています。
では、どうしてエキセントリック収縮が凝りの原因になるのかといいますと…。
エキセントリック収縮は、コンセントリック収縮よりも血液の循環が滞りやすいからです。
つまり、筋肉が伸びた状態が凝りの原因になるということ。
参照:筋の収縮様式
猫背が凝りを引き起こす
血液の流れが滞ると、筋肉中に老廃物が蓄積します。これが、凝りを引き起こす原因です。
冬場に全身が凝るのは、寒さで血液の循環が悪くなるため。
特に、肩や首の筋肉が凝りやすいのは、エキセントリック収縮が発生しやすい部位だからです。
人間は直立した時に、肩、骨盤、膝、くるぶしのラインがほぼ一直線になるのが理想的な姿勢。
しかし、最近では、頭や首、肩が前に出てしまう猫背の人が増えています。パソコン作業やスマホ操作の姿勢を思い浮かべれば、その理由はすぐにわかるでしょう。
猫背は頭が下がるため、首から肩にかけての筋肉や背中の筋肉が引っ張られて、エキセントリックの状態になります。
ゆえに、凝りが発生してしまうのです。
凝りは揉みほぐすだけでは解消できない
定期的に運動して体をしっかり動かしていれば、筋肉の伸張と短縮が繰り返されるので血流が良くなり、老廃物も蓄積しません!
なので、肩や首、腰などのあらゆる凝りは運動で改善できます。
凝りは、マッサージで改善できるものと考えている人が多いでしょう。
確かに、マッサージをして揉みほぐせば筋肉の緊張が解けて、一時的に凝りは改善します。しかし、マッサージはあくまでも対症療法です。
凝りを根本的に改善するためには、日頃の姿勢や習慣などを見直さなければなりません!
入浴で温めて凝りを改善
凝りを改善する最も手っ取り早い方法は入浴です。
ゆっくりお湯に浸かることで、筋肉の緊張がほぐれます。さらに、血液の流れが良くなり、筋肉中に溜まっている老廃物が排出されます。
温度は、38度くらいのぬるめに設定しましょう。
熱すぎると、長い時間お湯に浸かれません。また、湯冷めの原因にもなるので温度の設定には注意が必要です。
凝りの解消には全身運動
凝りの解消には運動が不可欠です。
しかし、ランニングや筋トレのようなハードな運動をする必要ありません。ストレッチやヨガなどの全身を使う軽い運動で十分。
肩凝りには、腕を大きく回したり、上げ下げを繰り返す運動が効果的です。首は顔に手をそえ、前後左右にゆっくり倒したり、傾けたりして筋肉をほぐしましょう。
ストレッチで凝りが気になる部分の筋肉を縮めて、根本的に解消することが大事です。
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最後に
凝りの原因は、筋肉の緊張や血流の低下です。また、猫背による肩周辺の筋肉の伸びもよくありません。
この凝りが解消されない状態が続くと、ヘルニアなどの大きな怪我につながります。
ただ、凝りを根本的に改善するためにいちばん大事なのは、首や肩、腰に負担がかからない姿勢をつくること。
日頃から姿勢を意識して、筋肉がエキセントリックな状態にならないように心がけましょう。