スポーツ中に怪我をした時の応急処置の基本はRICE!

みなさま、「RICE(ライス)」をご存知でしょうか?

お米のことではありません!

ここでのRICEは、スポーツ中に発生した怪我に対する応急処置の基本のこと。

スポーツ活動に関わる選手や指導者、保護者などは知っておかなければならない内容です。受傷直後の適切な対応が選手の早期復帰につながります。

「RICE」とは?

スポーツ活動中に打撲や捻挫などの怪我をした場合は、応急処置としてRICEを行います。

RICEとは

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)
  • 4つの頭文字をとったもの。stabilization(固定)を加えて、RICESと表現することもあります。

    受傷後の適切な応急処置はとにかく重要です。損傷範囲の広がりを減らし、腫れを抑え、痛みを軽減することができます。

    しかし、あくまでも応急処置のため、骨折や脱臼、筋断裂などで明らかな変形があったり、腫れや痛みがひどい場合には、速やかに専門医の診断を受けましょう。

    Rest(安静)

    運動はすぐにやめましょう!運動を継続すれば、受傷した組織はさらに損傷することになります。

    安静にして、二次的損傷を予防すること

    局所の安静を保つために包帯やシーネを使用して、患部を固定できればなおよしです。

    怪我をしたら無理をする必要はありません!早期復帰のためにも、直ちに安静にしたほうがいいでしょう。

    Ice(冷却)

    急性の怪我で痛みや腫れが生じたら、とにかく冷やすのが基本です!

    患部を冷やすことで炎症を抑えることができます。また、損傷した組織の代謝を下げ、二次的低酸素障害を軽減し、損傷部位の拡大を防ぎ、浮腫や内出血による腫れを軽減します。

    打撲や捻挫だとわかったら、できるだけ速やかにアイシングをしましょう!

    アイシングは継続的に行うこと

  • 1回に冷やす時間は20分を目安
  • 患部がしびれて感覚がなくなってきたら中止
  • 一定の時間を置いて感覚が戻ってきたらアイシング再開
  • これを12時間から24時間継続します。

    アイシングで凍傷にならないように注意してください。ゲル状の保冷剤やアイスノンを皮膚に直接当てると、すぐ凍傷になるので要注意!ビニール袋に氷を入れたり、氷のうを使用したほうがいいでしょう。

    また、冷却に過敏な人や循環障害のある人はアイシングを行ってはいけません!

    Compression(圧迫)

    損傷を受けた軟部組織にを圧迫することで、内出血や腫れを抑える効果があります。受傷部位を局所的に圧迫することが重要。

    アイシング中はもちろん、アイシングの合間、就寝中も基本的に圧迫を行います。

    圧迫が強すぎると静脈還流を妨げることになり、末梢の循環障害を起こし、二次的損傷の原因となることがあるので注意してください。

    静脈を流れる血液が、下肢に溜まって戻りにくくなることを静脈還流障害(慢性静脈不全)という。血液が下肢に溜まると、下肢静脈内の圧力が上昇し、血管の内から外へ血しょう成分が出て行く。これにより、下肢に水分が溜まり、むくみなどが引き起こされる。

    引用:静脈還流 | 看護用語辞典 ナースpedia

    四肢の場合、爪を抑えて循環を確認することができます。

    強く爪を圧迫し、離して爪の下の色が戻るまでの時間を計測。解放後、2秒以内に戻れば正常です。

    Elevation(挙上)

    怪我をした部分を心臓より高い位置に上げること。内出血による腫れを抑えることができます。

    手や指を怪我した場合は、万歳するように高く上げてみてください。足の場合は、横になって足を枕や布団などの上に乗せて高くしましょう。

    最後に

    急性外傷には、応急処置の「RICE」を行いましょう。

    直ちにスポーツ活動を中止して、アイシングをすること。バンテージを用いて、固定と圧迫をするとより効果的です。

    激しい痛みや著しい腫れ、明らかな変形がある場合は、速やかに医師に診てもらいましょう。