
この間、少年サッカーの主流になっている8人制サッカーのフォーメーションと戦術に関する記事を書きました。
私は、システムや戦術の話が大好きです。
しかし、ジュニア指導の現場ではシステムや戦術の話は基本的にほとんどしません!
勝利だけに固執して「あれをしてはダメ、こうしろ!」と選手を制限して型にはめようとしたところで意味がないから。
というより、幼児や小学校低学年の選手たちにシステムや戦術について真剣に話している指導者いたとしたら異常です。
何よりもサッカーを楽しんでもらうことが最優先!
でも、実は選手を制限したり、約束事を決めたりしなくても戦術を教えることは可能です。
その秘訣は、低学年特有のお団子サッカーにあります。
【参考記事】8人制サッカーのフォーメーションと戦術について。
お団子サッカーで身につくプレスの習慣
ジュニア育成において、低学年でお団子サッカーを経験させることは大事だといわれています。
ピッチ上にお団子ができるということは、多くの選手がプレーに関わっている証拠。ボールと関係のないところでお絵描きをしている選手が何人もいたら、お団子自体ができないわけですから…。
そして、お団子サッカーを続けていれば、プレスのかけ方やその重要性を体で覚えることができます。みんなで相手を囲めばボールを奪うことができるという体験が大事なのです。
相手にプレッシャーをかける、何人かで囲んでボールを奪う、というサッカーにおいて基本的な戦術を学ぶことができます。
幼児だと味方からボールを奪ってしまうという場面も多々あるのですが、ボールに触りたいという姿勢が大事なわけで、特にとがめることはありません。
お団子サッカーは、ボールを相手から奪いにいく、ボールを取られたら自分で取り返す、という習慣を身につけさせる上で必要な過程なのです。
プレスはいちばん初めに覚える戦術と言っても過言ではありません!
集団から抜け出す突破力
さて、お団子サッカーでは攻守の切り替えが激しく発生します。
技術的に優れている選手や体が大きい選手でも、やっぱり何人かに囲まれるとボールを失ってしまうものです。
それでも、お団子サッカーを続けていると、そのうちドリブルで集団からスルリと抜け出す選手やスペースにボールを運ぶ選手が現れてきます。
もちろん、ボールフィーリングやドリブルの練習は欠かさず実施していますが、それだけでは密集地帯から抜け出す能力を養うことはできません!
やはり狭いスペースでボールをコントロールする技術や身のこなしなどは、実践の中で学ぶのが一番!
そこで役に立つのがお団子サッカーなのです。傍から眺めていて、どうやって抜け出したんだ、ちゃんと体を使ってうまくボールをキープしているなあ、と感心することがあります。
私は、お団子サッカーで学べることは非常に多いと思っております。
最後に
ボールを追いかけるのは子供の本能的なもの。要するに、プレスという戦術が教えなくても自然に経験の中で身につけていくものです。
プレーを制限して無理やり選手をポジションにへばりつかせて、選手の自由な発想を奪うのは非常にもったいないこと!
お団子サッカーでプレスをかける習慣やドリブルの技術をある程度身につけたら、人数が少ないミニゲームで少しずつ選手の距離を離していけばいいと思います。
ただ、お団子サッカーに関しては指導者によって考え方が異なるので難しい問題なんですけどね…。