自分で考えてどう行動をとるか?フェアプレー精神の本質。

心のこもっていない行動は必要ない!

スポーツでは、相手をリスペクトし、フェアプレー精神を高めるため、挨拶や握手が徹底して行われています。

サッカーの場合は、FIFAワールドカップから小学校の地区予選まで試合前のセレモニーが同じルールで行われるように統一されているのです。

試合前のセレモニー

選手を構一列に並べ主審の笛の合図で礼、左側のチームから審判、選手と握手する。

参照:サッカー競技規則 2016/17

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私が小学生の頃は、センターラインを挟んで相手選手と向かい合い、挨拶をしてから目の前の選手と握手をするだけでした。

現在は、プロの選手たちと同じようにセレモニーが行われています。しかし、フェアプレー精神の本質を理解していなければ、それは単なる真似事にすぎません!

日本サッカー協会、Jリーグでは、サッカー、スポーツの社会的役割を強く自覚し、2008年度より、サッカー界におけるリスペクトの重要性を認識し、リスペクトプロジェクトを開始しました。

リスペクトの本質を、常に全力を尽くしてプレーすること、そしてそれはフェアプレーの原点であるととらえています。仲間、対戦相手、審判、指導者、用具、施設、保護者、大会関係者、サポーター、競技規則、サッカーというゲームの精神、それらサッカーを取り巻くあらゆるいろいろな関係の中でとらえていきたいと考え、「大切に思うこと」としました。

引用:リスペクト|日本サッカー協会

リスペクトの一環として挨拶や握手が徹底されてるわけです。

でも、少年サッカーの現場では行動だけが重視され、ただ形式的に行われているだけではないか?と感じることもしばしば…。

これは、ものの考え方のベースをしっかり教えていない大人の責任ではないでしょうか?

フェアプレイ宣言とは

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日本体育協会の「フェアプレイで日本を元気に」というプロジェクトがあるのをご存知でしょうか?

(この段落では「フェアプレー」ではなく「フェアプレイ」と表記します)

参照:フェアプレイで日本を元気に|日本体育協会

フェアプレイ7カ条

  • 約束を守ろう
  • 感謝しよう
  • 全力を尽くそう
  • 挑戦しよう
  • 仲間を信じよう
  • 思いやりを持とう
  • 楽しもう
  • これらは何もスポーツに限ったことではありません!日常生活から意識すべきことでしょう。

    行動としてのフェアプレイ

    ルールを守る、審判や対戦相手を尊重する、全力を尽くして戦い、勝ってもおごらず、負けてもふてくされたりしないことなど、実際の行動としてのフェアプレイです。

    フェアプレイ精神

    スポーツの場面に限らず日常生活の中でも、自分の考えや行動について善いことか悪いことかを自分の意思で決められること。自分自身の心に問いかけたとき、恥ずかしくない判断ができる心のことをいいます。

  • 握手
  • 挨拶
  • ありがとう
  • フェアプレイを広げていくための活動として、「握手・挨拶・ありがとう」推進します。

    なぜ、そういった行動をとるのかという部分が大事です。

    握手をしよう。

    ゲームを始める時、ゲームができることへの感謝の気持ちを込めて、対戦相手と審判と握手をしよう。ゲームが終わったとき、互いのけんとう讃え合い、対戦相手と握手をしよう。ゲームを進めてくれた審判に、再び感謝の気持ちを込めて握手をしよう。

    挨拶をしよう。

    練習が始まる時、仲間たちと挨拶をしよう。きっと信頼はどんどん深まるはず。練習場所で会う人や町の人たちにも挨拶をしよう。その一言がスポーツの輪を広げることになるはず。

    ありがとうを言おう。

    家族やコーチに、ありがとうと言おう。審判や応援をしてくれる人たちに、ありがとうと言おう。ゲームの準備をしてくれた人たちに、ありがとうと言おう。もっともっと、君たちを支えてくれるようになるから。

    世の中にフェアプレイを浸透させるために活動しているとのこと。そして、フェアプレイ宣言者100万人を目指しているそうです。

    先日、私はこのプロジェクトの存在を知りました。けど、違和感を覚えたのです。

    フェアプレイ宣言者の人数とかどうでもよくないですか?結局、Facebookのいいね!集めてるだけみたいな気がして…。

    自分で考えて行動すること

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    果たしてどれだけの子供がフェアプレイ精神の本質を理解しているでしょうか?

    ただ、なんとなく挨拶や握手をしているような子供のほうが多いような気がします。

    挨拶をしようとか、握手をしようとか、ありがとう言おうとか、人に言われてやるようなことではありません!心がともなっていない行動であれば、やめたほうがいいでしょう。

    指導の現場を見ていると、こういう時には挨拶をしなさい。こういう場面では握手をしなさい。そうやって具体的な行動だけを先に教える傾向が強いように思えてなりません。

    でも、いちばん大切なことは、周りの人や環境に感謝する気持ちをきちんと持てるかどうかではないでしょうか?

    その気持ちがあってはじめて、きっちりと挨拶や握手をすることに意味があるのです。

    形式だけでやっているのなら「やめてしまえ!」と私は思います。

    行動ではなくて考え方が大事です。

    いちいち場面場面で指導しなくても、自分自身で考え、適切な行動をとれるような選手を育てなければなりません!

    そうすれば、自ずと心のこもった挨拶や握手、感謝の気持ちを伝えられるようになります。

    どうして挨拶をするのか、どうして握手をするのか、どうしてありがとうと言うのか、といったことを考えさせることがフェアプレー精神の本質です。

    それがないと、形式的に行われるだけであまり意味を持たないでしょう…。

    最後に

    フェアプレー精神や相手へのリスペクトは絶対に必要なもの。

    だけど、形式的に行われているような挨拶や握手ならやめたほうがマシです。

    競技の技術の習得も大事ですけど、自分で考えるということをちゃんと教えなければなりません!

    物事は、教える順序を間違えてはいけないということをしっかり肝に命じておきたいと思います。

    参照:【世界中で絶賛!】U-12バルセロナと大宮アルディージャジュニア、試合後の選手同士の心の交流が話題に
    – BIGLOBEニュース

    参照:あなたならどうする?海外選手に学ぶフェアプレーの選択肢 | サカイク